バスケットボールで最も多い怪我の一つが「突き指」です。パスのキャッチ失敗・ブロックシュート時の接触など、試合・練習中に気づいたら指が腫れていた、という経験をした選手は多いでしょう。
テーピングは突き指した指を固定して痛みを和らげ、競技復帰を可能にする重要なケアです。しかし「引っ張ればよい」「適当に巻けばいい」という誤解も多く、正しい方法を知ることが大切です。本記事では、バスケの突き指テーピングの正しい巻き方・テーピングの種類・注意点を解説します。
- 突き指の重症度の見分け方
- テーピングテープの種類と選び方
- バディテーピングなど正しいテーピングの巻き方
- 試合・練習中の注意事項と予防テーピング
- 医療機関を受診すべきタイミング
突き指の重症度と診断
「突き指」は医学的には「指の過伸展・靭帯損傷」です。見た目が似ていても骨折・脱臼の場合があるため、重症度の確認が最初のステップです。
| グレード | 状態 | 症状の目安 | 対処 |
|---|---|---|---|
| グレード1(軽度) | 靭帯が伸びた状態(部分断裂なし) | 軽い痛み・腫れ・動かせる | RICE処置+テーピングで競技継続可能な場合あり |
| グレード2(中等度) | 靭帯の部分断裂 | 強い痛み・腫れ・動かすと痛む | 医療機関受診推奨。固定・安静が必要 |
| グレード3(重度) | 靭帯完全断裂・骨折・脱臼の可能性 | 激しい痛み・著しい腫れ・変形・動かせない | 必ず医療機関受診。自己判断での競技復帰は危険 |
・指が明らかに曲がっている・変形している
・指先に圧力をかけると激しく痛む(軸圧痛)
・内出血が広範囲に及ぶ
・全く動かせない
これらの症状がある場合は骨折・脱臼の可能性があり、必ず医療機関でレントゲン検査を受けてください。
テーピングテープの種類
伸びない白いテープ。関節の動きを制限して固定するのに最適。突き指テーピングの基本材料。硬い素材で安定した固定ができる。幅13mm〜19mmが指用として使いやすい。
伸びる素材のテープ。完全固定ではなく動きを保ちながらサポートする用途に使用。突き指の急性期より回復期のサポートに向いている。皮膚への貼り付きが良く長時間使用可能。
ホワイトテープの下に巻く柔らかいスポンジ状のテープ。皮膚への直接貼り付きによる剥がれ時のダメージを減らし、肌弱い人の肌荒れを予防する。なくても貼れるが皮膚保護のため推奨。
あらかじめ指用にカットされたテープセット。初心者でも手軽に貼れる。ハサミが不要で素早く対処できる。試合前など時間がない場面でも使いやすい。
基本のテーピング方法:バディテーピング
突き指した指を隣の健康な指と一緒にテープで巻いて固定する方法です。隣の指が「添え木(スプリント)」の役割を果たします。簡単・素早くできるため、試合中の応急処置としても広く使われます。
指の腫れ・動き・痛みの位置を確認。皮膚の汚れ・汗をタオルで拭いてテープが貼り付きやすくする。皮膚が敏感な場合はアンダーラップを先に巻く。
ホワイトテープをハサミで13〜19mm幅に切るか、プレカットテープを用意。長さは指を2周巻ける程度(指1本あたり10〜15cm程度)。
傷めた指と隣の指を軽く合わせた状態で、第一関節(指先から1番目の関節)の少し上からテープを2周巻く。きつすぎず・ゆるすぎないように。
続いて第二関節(指先から2番目の関節)の少し上でもテープを2周巻く。2箇所をテープで固定することで安定性が増す。
テープの端がめくれないように押さえて完成。指の色・感覚を確認し、しびれ・紫色になる・異常な感覚がある場合は貼り直す(きつすぎる可能性)。
より安定した固定方法
患部の指だけをホワイトテープでしっかり固定する方法。バディテーピングより強固な固定ができますが、テーピングの技術が必要です。
テーピングの土台となるアンカーテープを関節の上下(近位部・末端部)に1周ずつ巻く。これが土台になる。
アンカー間を縦方向につなぐテープを指の背面・側面に貼る。関節の過度な曲がりを制限する。
縦テープの上からアンカーと同じ位置でもう1周テープを巻いて固定。テープの端をしっかり押さえて完成。
試合・練習中のテーピング注意事項
- 定期的に指の色・しびれを確認する
- ハーフタイムにテープの状態を見直す
- テープがゆるんできたら貼り直す
- 痛みが増した場合はプレー中断を検討
- テープがきついのに我慢して続ける
- 痛みが増しているのに競技を続ける
- テープを巻いたまま何日も放置する
- テープ剥がし時に皮膚を傷める(ゆっくり剥がす)
テーピングテープの選び方
- 幅は13〜19mm——25mm幅などは指には大きすぎる。指専用の細いタイプを選ぶ
- ホワイトテープは非伸縮タイプ——伸びるテープでは固定力が弱い。「非伸縮」「ハードタイプ」と表記されているものが◎
- 撥水タイプを選ぶ——汗で剥がれやすいため、「撥水」「防水」タイプが実用的
- 皮膚が敏感な場合は低刺激タイプ——「低刺激」「肌弱い方向け」の表記があるものを選ぶ。アンダーラップと組み合わせるとさらに良い
- チームで統一する場合は大容量ロール——バスケチームはロール式の業務用テープが経済的。一般的な38mmロールを切って使用も可能
テーピング後のケア
練習・試合後はテープを必ず取り除く。皮膚を傷めないよう肌に平行にゆっくりと剥がす。テープ剥離剤があると楽に剥がせる。
急性期(受傷後〜2〜3日)は患部を15〜20分冷やす。腫れ・炎症を抑える効果がある。直接氷を当てず、タオルに巻いて使用する。
急性期が落ち着いたら(3〜5日後)、指をゆっくり曲げ伸ばしするストレッチで関節の動きを回復させる。痛みが強い場合は無理しない。
同じテープを何日も使わない。毎日新しいテープを巻き直すことで清潔を保ち、固定力も維持できる。
予防テーピング:怪我していない指にも巻くべきか
バスケでは「怪我した指だけでなく、怪我していない指にも予防テーピングを巻く選手」がいます。これには賛否があります。
- 突き指のリスクを低減できる
- 心理的な安心感がある
- 一度突き指を経験した指への再受傷予防に特に有効
- 指の感覚が鈍くなりドリブル・パスに影響する可能性
- 皮膚への負担・肌荒れ
- テーピング費用と時間のコスト
医療機関を受診すべきタイミング
- 指が変形・曲がっている——脱臼・骨折の可能性が高い
- 指先に力を入れると激痛がある——骨折の代表的な症状(軸圧痛)
- 1週間経っても腫れが引かない——慢性化・合併症の可能性
- 2週間経っても痛みが継続——骨折・靭帯断裂の見落としの可能性
- 指を完全に伸ばせない(槌指)——腱断裂の可能性。放置すると変形が残ることも
- しびれ・感覚がない——神経への影響の可能性
突き指からの回復目安と練習復帰
テーピングで保護しながら軽度の練習は継続可能な場合もある。痛みが増す場合は休む。
安静が必要。医師の診断に従い固定期間を経てから段階的に復帰。テーピングは最低3ヶ月継続推奨。
手術が必要になる場合もある。必ず整形外科で診断・治療を受ける。復帰時期は医師の指示に従う。
日常的な突き指予防の習慣
練習前後に指を一本ずつ丁寧に伸ばすストレッチ。各指10秒キープ×3セット。指の関節の柔軟性を保ち、突き指のリスクを低減する。
ハンドグリップ・タオル絞り・指立て伏せなどで指と手首の筋力を高める。指の筋力が高いほど衝撃に対応できる。
パスのキャッチは指先でボールを受けず、「手のひら全体でとる」意識が重要。パスを受ける際に手が準備できていることも重要。
大事な試合・激しい練習の前に人差し指・中指など突き指しやすい指に予防テーピングを巻く。コスト対効果が高い予防策。
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よくある質問
Q. 突き指した指を引っ張ると治るって本当ですか?
これは医学的に根拠のない民間療法です。突き指を引っ張ることで靭帯・腱をさらに傷めたり、骨折・脱臼がある場合は悪化させるリスクがあります。受傷後はRICE処置(安静・冷却・圧迫・拳上)を行い、痛みが強い場合は医療機関を受診してください。
Q. テーピングをしたまま試合に出てもいいですか?
ルール上、テーピングをしたまま試合に出ることは問題ありません。ただし「痛みがある状態でのプレーが怪我を悪化させる可能性」があることは理解しておきましょう。特に重度の突き指(骨折・靭帯断裂の疑い)の場合は、医師に確認せずに試合に出ることは避けてください。
Q. テーピングをするとドリブルの感覚が変わりますか?
テーピングをすると多少指の感覚が変わります。特にドリブルの繊細なコントロールに影響する場合があります。そのため、突き指予防のための予防テーピングは試合・重要な練習前のみに限定するか、感覚への影響が少ない薄いキネシオテープを使用する方法もあります。練習で慣らしておくことも重要です。
Q. 突き指が治るまでボールを触らない方がいいですか?
重症度によります。グレード1(軽度)の場合はテーピングで保護しながら軽い練習を続けることも選択肢の一つです。ただし「痛みが増す動作」は避けるべきです。グレード2〜3の場合は安静期間が必要です。いずれも医師や理学療法士に相談して判断することを推奨します。
まとめ:正しいテーピングで突き指を乗り越える
バスケで多い突き指は、正しいテーピングと適切なケアで痛みを和らげながら競技を続けることができます。基本のバディテーピング(隣の指と固定)は簡単に習得でき、試合中の応急処置としても有効です。
ただし、指の変形・激しい痛み・1週間以上続く腫れなどの症状がある場合は骨折・靭帯断裂の可能性もあるため、必ず医療機関を受診してください。テーピングは「応急処置」であり「治療」ではないことを理解しておきましょう。
日頃からの指のストレッチ・グリップ強化・正しいキャッチ習慣で突き指そのものを予防することが、最も大切な対策です。
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